地方税~住民税・固定資産税など

ふるさと納税はいくらまで?令和7年の税制改正で影響がある人・ない人を徹底解説!

2025年6月20日

「ふるさと納税ってどれくらいまで寄付できるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。今回は、ふるさと納税の仕組みや計算構造、限度額のシミュレーション方法をわかりやすくまとめました。さらに、寄付後に必ずやるべき手続きや、令和7年(2025年)の税制改正(いわゆる“103万円の壁”が123万円に引き上げられた件)による影響についても解説します!

ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付をすると、寄付額のうち2,000円を超える部分が、所得税や住民税から控除される仕組みです。

例えば3万円を寄付した場合、2,000円を引いた28,000円が控除されます。さらに、寄付先の自治体からは返礼品が送られてくるので、実質的な負担は2,000円だけで地域特産品などを楽しめる人気の制度です。

ふるさと納税の計算構造

ワンストップ特例制度を利用する場合と確定申告をする場合の違い

ふるさと納税での控除は、「所得税の控除」と「住民税の控除」に分かれます。ただし、どの控除が適用されるかは、申告方法によって異なります。

申告方法控除される税目
ワンストップ特例制度住民税から全額控除(所得税からの控除はなし)
確定申告所得税・住民税の両方から控除される

具体的な計算は以下のとおりです。

✅ 確定申告をする場合

  • 所得税から控除:
    (寄付額-2,000円)× 所得税の税率
  • 住民税から控除:基本分+特例分
    (寄付額-2,000円)× 10%(基本分)
    (寄付額-2,000円)×(90%-所得税の税率)(特例分)

✅ ワンストップ特例制度を利用する場合

  • 住民税から控除:
    (寄付額-2,000円)の全額が控除対象
    (基本分+特例分として、住民税からまとめて控除される)
  • 所得税からの控除は行われず、控除相当額の全てが翌年度の住民税から差し引かれる形になります。

ふるさと納税の限度額算定のシミュレーション(目安)

実際の限度額は、年収や扶養家族の有無などで異なります。

以下は、簡単な目安としての限度額シミュレーションです。

年収(税込)独身または共働き夫婦のみ(専業主婦)夫婦+子1人
300万円約2.8万円約1.9万円約1.4万円
400万円約4.2万円約3.3万円約2.9万円
500万円約6万円約4.9万円約4.4万円
700万円約10万円約8万円約7万円

※実際の限度額は住民税の算出額などで微調整されますので、正確な額を知りたい場合は総務省などが公開している「控除額シミュレーションサイト」がおすすめです。
※今年の収入見込みや保険料控除の金額により限度額は変動します。

ふるさと納税後に必ずやるべきことワンストップ特例制度 or 確定申告

ふるさと納税をしたら、ワンストップ特例制度もしくは確定申告のどちらかを、必ず控除の申請手続きとして行う必要があります。

2,000円を超えた部分の控除を受けるには以下のいずれかを選びましょう。

✅ ワンストップ特例制度

会社員など確定申告が不要な人向け。寄付先の自治体に「申請書」を提出するだけでOK。1年間で5自治体以内なら、確定申告不要で控除を受けられます。確定申告に比べて手続きが簡便です。

✅ 確定申告

自営業者や、6自治体以上に寄付をした人などは確定申告が必要です。確定申告において寄付金控除の計算を行います。

ただし、ワンストップ特例制度の手続きをした方でも、医療費控除や初年度の住宅ローン控除を受けるために確定申告をする場合には、ワンストップ特例制度の手続きは無効になりますので、所得税の確定申告おいて、寄付金控除の手続きを行う必要があります。

令和7年の税制改正「103万円の壁 → 123万円の壁」の影響

✅ ポイント1:103万円の壁 → 123万円に拡大

令和7年(2025年)から、いわゆる「103万円の壁」が「123万円」に引き上げられました。

これは、扶養控除の判定基準となる配偶者控除や配偶者特別控除の収入上限が引き上げられるというものです。

ただし、ふるさと納税の限度額に直接関わる住民税の基礎控除や税額控除の仕組みには変更がありません。

そのため、この改正によるふるさと納税の控除上限額への影響は基本的にありません。

✅ ポイント2:給与所得控除の最低保障額が55万円 → 65万円に引き上げ

これにより、年収が低めの給与所得者(年収100万円〜150万円程度)では課税所得が減る可能性があります。

結果として、所得税・住民税が軽減され、ふるさと納税の限度額もやや減少することがあります。

✅ 改正に該当しそうな方は要チェック!

以下のような方は、ふるさと納税の限度額が昨年と変わる可能性があるため、今年の収入や控除額をもとに再計算することをおすすめします。

  • 年収100万円〜150万円程度の給与所得者
  • パート収入が120万円前後の配偶者がいる家庭
  • 昨年と比べて収入や扶養人数、保険料控除に変動がある方

引き続き、年収や扶養家族の状況に応じた控除上限を意識して、計画的にふるさと納税を活用していきましょう。

令和7年の税再改正で影響がある人・ない人とは?

2025年(令和7年)の税制改正で、ふるさと納税の控除限度額に影響がある人と、影響がない人についてまとめてみました。

✅ 限度額が変わる可能性がある人(影響があるひと/課税所得が変わる人)

以下のような方は、影響額は少ないですが、課税所得が変動することで、ふるさと納税の控除上限額にも影響が出る可能性があります。

該当する方影響内容
年収100万円~150万円の給与所得者給与所得控除の最低保証額が65万円に引き上げられ、課税所得が減り、ふるさと納税限度額がやや下がる可能性があります。
配偶者がパートで120万円前後の収入がある世帯配偶者控除の適用範囲が拡大することで、世帯全体の課税所得が減少し、限度額が減る可能性があります。
年収や保険料控除に昨年と違いがある人所得控除が変わると、限度額も連動して変化します。

✅限度額が基本的に変わらない人/影響がない人

・年収が300万円以上~高所得者層の給与所得者

・昨年と比べて収入・家族構成・保険料等に大きな変化がない人

・給与所得控除が比例計算(※改正の影響を受けにくい年収帯)の人

まとめ

ふるさと納税は「限度額を超えない範囲で」活用することで、実質負担2,000円で地域応援&返礼品を楽しめます。

ふるさと納税は、制度そのものに大きな変更はありませんが、税制改正により課税所得が変化すると限度額に影響が出る可能性があり、令和7年の改正では「すべての人に影響があるわけではない」という点がポイントです。

令和7年の改正内容を正しく理解し、寄付しすぎて損をしないよう、最新のシミュレーションツールを活用しながら計画的に寄付していくことをオススメいたします。

※ この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、具体的な税務アドバイスではありません。個別のケースについては、税理士等の専門家にご相談ください。
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住民税が上がったと感じたら、まず「前年の所得」「扶養状況」「控除の有無」などを確認しましょう。

そして、今後の対策として「ふるさと納税」の活用を検討するのもおすすめです。少しの工夫で翌年の住民税額がグッと変わるかもしれません

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