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クラウド会計ソフト vs 税理士に依頼:どっちがお得なの?徹底比較

個人事業主やフリーランスが税務処理をする際、重要な決定の一つが「クラウド会計ソフトを使うか、税理士に依頼するか」です。どちらが業務上お得なのか、または自身の業務には何が合っているのか、迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。どちらもメリットとデメリットがあり、コストパフォーマンスの観点で選ぶには、事業者のビジネス規模や複雑さ、時間の余裕、予算などを考慮する必要があります。本記事では、両者の特徴を比較し、どちらが事業者にとって最適かを探ります。

1. クラウド会計ソフトのメリット

クラウド会計ソフトは、インターネットを介してアクセスできる会計ツールです。freeeやマネーフォワードなどが代表的なサービスで、毎月または年間のサブスクリプション料金で利用できます。

1. コストパフォーマンス

クラウド会計ソフトは、月額数千円から利用可能で、税理士に比べて初期費用やランニングコストが低いです。特に、売上規模が小さい個人事業主や中小企業にとっては、低コストで経理業務を自動化できる点が魅力です。

2. 操作の簡便さと自動化

クラウド会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードと連携が出来るので、自動的にデータが取り込まれるため、手入力の手間が大幅に削減されます。

3. どこからでもアクセス可能

インターネットに接続していれば、どこからでも会計データにアクセスできるので、リモートワークの導入や、複数のメンバーでの共有が容易です。

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クラウド会計ソフトのデメリット

1. 専門知識が必要

ソフト自体は使いやすいですが、税務の知識がない場合、ミスをしたり、節税の機会を逃したりする可能性があります。特に、複雑な決算処理や税務申告には、会計や税法の知識が求められます。

2. 責任が全て自分にある

税務処理に関しては、すべて自分で対応する必要があり、万が一ミスがあれば税務署からのペナルティを受ける可能性があります。専門家の確認がないため、安心感が不足する場合も。

3. サポートの範囲

クラウド会計ソフトは、確定申告や帳簿作成の機能が充実していますが、専門的な税務アドバイスや複雑な会計処理に関しては対応が難しい場合があります。特に、複数事業や資産運用、海外取引などが絡む場合は、自分で対応するにはリスクが高くなります。

税理士に依頼するメリット

1. 専門知識と経験

税理士は国家資格をもつ税務の専門家であるため、税務に関する高度な知識と経験を持っており、複雑な税務処理や節税対策を適切に行えます。法改正にも迅速に対応でき、プロの目で見てもらうことで、安心感が得られます。

2. 時間の節約

税務処理をすべて税理士に任せることで、事業主は本業に集中する時間が増えます。特に、繁忙期や決算期など時間がかかる作業を代行してもらえるのは大きな利点です。
また、会計知識がない場合には、税理士のサポートは非常に助かります。さらに、税制改正や最新の税制に関する情報も提供してもらえるため、安心して本業に専念できます。

3. 税務調査への対応

万が一、税務調査が入った場合でも、税理士が代理で対応することができるため、精神的な負担を軽減できます。税務署との交渉力も税理士ならではの強みです。

税理士に任せた方がお得になるかもしれません

税理士に依頼するデメリット

1. コストが高い

税理士に依頼する場合の料金は、年間で10万円〜数十万円と、クラウド会計ソフトに比べて高額です。費用は事業の規模や依頼内容に応じて変動しますが、会計処理や確定申告のみであれば比較的抑えられます。一方で、税務調査対応や節税対策のアドバイスが必要な場合は、追加料金が発生することがあります。小規模な事業者にとっては、コストが大きな負担になる可能性があります。

3. クラウド会計ソフトと税理士のコスパ比較

  1. 初期費用とランニングコスト
    クラウド会計ソフトの月額費用は圧倒的に低く、スタートアップや小規模事業にとっては魅力的な選択肢です。一方、税理士は初期費用こそ高いものの、長期的な節税効果や税務リスクの軽減を考慮すると、コスト以上のメリットを提供する可能性があります。
  2. 時間の節約
    クラウド会計ソフトを使用すると、自分でデータ入力や申告書の作成が必要ですが、自動化機能により作業は簡単です。税理士に依頼すれば、ほとんどの作業を任せることができ、その分時間を本業に充てられます。
  3. リスク管理
    自分で会計を行う場合、知識不足やミスによって税務リスクが増加する可能性があります。税理士に依頼すれば、そのリスクを大幅に低減できます。特に、税務調査が発生した場合、税理士の存在は心強いです。

クラウド会計と税理士依頼の”いいとこどり”という選択

両者の併用で得られるメリット

クラウド会計と税理士のいいとこどりをするこの折衷案は、コスト削減と安心感の両立が最大のメリットです。日常の会計業務はクラウド会計ソフトで効率よく処理し、節税や申告といった専門知識が必要な業務は税理士に任せることで、無駄な費用を抑えつつ、正確で安心な税務処理が可能となります。

特に、自分で記帳業務を行うことで、経理の流れを把握でき、事業の健全性や財務状況をリアルタイムで確認することができます。また、税理士が必要になるタイミングも減らせるため、費用面での節約効果も期待できます。

  1. コスト削減:日常の簡単な会計処理は自分で行うため、税理士にかかる費用を抑えつつ、専門的なサポートも受けられます。
  2. 効率化:クラウド会計ソフトを使ってデータを整理し、税理士に必要な情報をスムーズに提供できます。これにより、税理士の作業時間も短縮され、効率的な業務が可能です。
  3. 安心感:税務申告や決算のような重要な場面では、プロに任せることで安心感が得られ、リスクを最小限に抑えられます。

税務調査のときだけ税理士に依頼することは出来るのか?

税理士に依頼せず、税務調査が入った時だけ依頼する場合のリスク

中には「税理士に依頼せず、税務調査が入った時だけ税理士に依頼すればいい」という考えを持つ方もいます。しかし、この方法にはいくつかのリスクがあります。

1. 事前の準備不足

税務調査が入ると、過去数年分の帳簿や取引に関する詳細な書類提出が求められます。税理士を最初から依頼していない場合、帳簿の整備や書類の正確性に不備があることが多く、調査時に慌てる可能性があります。税理士が事前に関わっていないと、調査への対応が遅れたり、対応に必要な準備が不足したりするリスクがあります。

2. コストが割高になる可能性

税務調査の際にだけ税理士を依頼する場合、調査対応に特化した業務は通常の契約よりも高額になる傾向があります。特に、突発的に対応を依頼すると、調査期間中に税理士の稼働時間が多くなり、割高になるケースが少なくありません。

3. 事後対応の難しさ

税務調査で指摘を受けた場合、事後に帳簿や申告内容を修正する必要がありますが、修正が多いほど対応が複雑化します。また、ペナルティが科せられる場合もあり、最初から税理士に依頼していれば回避できたはずの問題が発生することもあります。

まとめ

どちらがコスパ良いかは、ビジネスの規模や複雑さによります。単純な会計処理や確定申告が必要なだけであれば、クラウド会計ソフトで十分です。費用も抑えられ、操作も簡単です。しかし、事業が成長し、税務が複雑になってくると、税理士のサポートは不可欠となり、そのコストに見合った価値を提供してくれます。

また、クラウド会計ソフトと税理士のどちらかを選ぶのではなく、両者を併用するという折衷案が、効率的かつコストパフォーマンスに優れた選択肢となる場合があります。日常的な記帳や基本的な会計業務はクラウド会計ソフトで自分で管理し、税務申告や複雑な会計処理は税理士に依頼することで、時間とコストを最適化できます。

つまり、小規模ビジネスやスタートアップにはクラウド会計ソフト、大規模ビジネスや税務が複雑な場合は税理士の利用がコスパの良い選択肢となります。どの方法を選ぶにしても、自分のビジネスの状況に合った方法を選ぶことが重要です。

この記事が、事業者の皆様のお悩み解決の一助となれば幸いです。


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