被相続人が亡くなるまでの介護や看護は、相続人である息子の奥さんが行う場合があるのではないでしょうか。
こういった場合、これまで問題となってきたのは、どんなに献身的に療養看護に努めたとしても、相続人の配偶者(例:亡くなった方の息子の奥さんは、”相続権がない”ということです。
そこで民法の改正により特別寄与者は、相続開始後相続人に対し、特別寄与料の請求をすることが出来ることとされました。(民法1050)
特別寄与者とは
特別寄与者とは、被相続人に対して無償で療養看護等をしたことにより、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族で、相続人等を除くものです。
つまり、相続人の配偶者が、これにあたります。
被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。
e-Gov(イーガブ)電子政府の総合窓口 民法1050条より
特別寄与料の支払いを受けた場合の税金
特別寄与者が特別寄与料の支払いを受けた時は、被相続人から遺贈により特別寄与料を受けたものとみなして、相続税が課税されることになります。
相続財産が基礎控除額以下である場合
被相続人の相続財産が基礎控除額以下である場合は、相続税の申告書を提出する必要はなく、特別寄与料について、相続税が課税されることはありません。
相続財産が基礎控除額を超える場合
相続財産が基礎控除額を超える場合は、特別寄与者についても相続税の申告書を提出する必要があります。
また、相続税の計算において、特別寄与者は相続人ではないため、2割加算をして税額が算出されます。
特別寄与料を支払った相続人の相続税の申告
特別寄与料を支払った相続人は、相続税の申告において特別寄与料を”債務控除”として相続財産の価額から控除することとなります。
適用時期
令和元年7月1日以後に開始する相続について適用されます。
㊟個別の税務判断は、税の専門家に相談されることをオススメいたします。