手帳で一元化した管理を目指して、少しずつ改良を加えた自作リフィルをExcelで作成しています。今回は、月ごとのスケジュールを一目で確認できるマンスリーカレンダー部分の作成方法をご紹介します。シンプルなカレンダーを自分でカスタマイズすることで、業務の効率化や視覚的な使いやすさが向上するので、ぜひ参考にしてください!
年と月を変更してカレンダーを自動表示させる方法
まず、年と月を簡単に変更するだけで、その年月に対応した曜日が自動で表示されるように設定します。
1. 年と月の選択設定
• 「年」と「月」 のセルに、データの入力規則で「リスト」を設定して、簡単に切り替えられるようにします。
①エクセルの「データ」タブから②「データの入力規則」を選び、③入力値の種類のプルダウンですべての値となっているところを「リスト」に変更し、④元の値のところに年度や月を「,」カンマで区切って入力すると、⑤プルダウンの完成です。
• 月名の英語表記 を表示するために、セルの書式設定のユーザー定義で [$-en-US]mmmm;@ を選択(ない場合は種類のとろこに入力)し、月のセル(例: U2)には、=DATE(O2, B2, 1) を入力します。このU2セルを参照してE2セルは、英語表記の月名が表示されます。
O2のセルは、年度がプルダウンで表示されるセルです。B2のセルは、月がプルダウンで表示されるセルです。
日付を自動表示する関数の設定
月のカレンダー部分の日付は、設定した年と月に基づいて自動的に変化するようにしています。ここでは、1日から月末日までの表示方法を解説します。
1. 1日の表示
• 1日目 のセルに =DATE(O2, B2, 1) と入力します。ここでの「O2」は年度、「B2」は月が入力されているセルです。これにより、選択した年月日と1日が表示されます。セルの書式を選んでユーザー定義を選び、種類の欄に「d」を入力し「OK」をクリックします。これにより、日にちのみが表示されます。2日以後も同様です。
2. 2日から28日までの自動表示
• 2日以降 は「=前日のセル + 1」という計算式で日付を自動的に増やします。例えば、2日を表示させたいセルには「1日があるセル + 1」を入力します。
3. 29日以降の調整
• 日数が異なる月の対応のため、29日以降には以下の式を入力します。
• =IF(B32="", "", IF(DAY(B32 + 1) = 1, "", B32 + 1))
• 「B32」は前日を示すセルで、空欄なら空欄を返し、翌月1日になるなら空欄を返す仕組みです。これにより、2月や4月などで末日が自動調整されます。
曜日を自動表示する設定
日付に対応した曜日を自動で表示させる方法もご紹介します。
• 曜日のセルには =TEXT(B5, "aaa") を入力します。「B5」は日付が表示されているセルです。
• "aaa" を使うと「月」「火」「水」などの一文字で曜日が表示され、"aaaa" にすれば「月曜日」「火曜日」と曜日名全体が表示されます。
条件付き書式で土日を強調表示する方法
カレンダーで土日や祝日がわかりやすくなるよう、色やフォントに変化をつけます。
1. 土曜日と日曜日の太字設定
条件付き書式を使って、色を変えるように設定していきます。
適用させたいセルを選択したあと、ホームタブの条件付き書式のプルダウンから「新しいルール」を選択、「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選び「次の数式を満たす場合に値を書式設定」のところに下記の数式を入力し、書式を選んで、太字にしたり色を変えたり、任意の書式を選び、「適用」をクリックし「OK」をクリックしたら設定できます。
• 土曜日 の条件付き書式には、数式 =WEEKDAY($B5) = 7 を入力して、文字を太字に設定します。「7」は土曜日を表します。
• 日曜日 の条件付き書式には、数式 =WEEKDAY($B5) = 1 を入力して、文字を太字にし背景をグレーに設定します。「1」は日曜日を表します。
各曜日に色の変化をつけたいときは、曜日ごとに数式を入れていきます。
日曜日=1、月曜日=2、火曜日=3、水曜日=4、木曜日=5、金曜日=6、土曜日=7
2. 祝日の表示
• 別シートに祝日リストを用意し、COUNTIF 関数を使って祝日と一致する日付を確認します。インターネットで検索すると、祝日の一覧を簡単に取得できるため、コピペでエクセルに表を作成できます。
• 条件付き書式を使って、色を変えるように設定していきます。
適用させたいセルを選択したあと、ホームタブの条件付き書式のプルダウンから「新しいルール」を選択、「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選び「次の数式を満たす場合に値を書式設定」のところに下記の数式を入力し、書式を選んで、太字にしたり色を変えたり、任意の書式を選び、「適用」をクリックし「OK」をクリックしたら設定できます。
=COUNTIF(祝日リスト, $B5) = 1 を条件として設定し、祝日の日付を太字のオレンジで表示、背景をグレーにするようにしました。この場合の1は「TRUE」を意味します。「FALSE」は0です。
まとめ
自作リフィルを使えば、必要な情報をまとめて管理できるため、日々の業務効率も向上します。今回の手順を参考に、Excelで手帳のリフィルをカスタマイズし、自分だけのオリジナルカレンダーを作成してみてください!
参考:エクセルでカレンダーを作成する際に便利な関数
エクセルでカレンダーを作成する際に便利な関数を上げてみました。自作リフィル作成のご参考にしてみてください。
1. DATE関数
• 使い方:=DATE(年, 月, 日)
• 用途:指定した年・月・日の日付を生成します。年や月を数式で変化させることで、動的にカレンダーの月を切り替えることができます。
2. EOMONTH関数
• 使い方:=EOMONTH(開始日, 月数)
• 用途:指定した日付を基準に、月数を移動した後の月の最終日を返します。例えば、当月の最終日を取得したい場合は=EOMONTH(DATE(年, 月, 1), 0)のように使用し、月末を取得できます。
3. WEEKDAY関数
• 使い方:=WEEKDAY(日付, 種類)
• 用途:日付に対応する曜日を数値(1〜7)で返します。種類を指定することで、月曜始まりや日曜始まりなどのパターンを選べます。曜日に合わせてカレンダーの位置を調整する際に便利です。
4. TEXT関数
• 使い方:=TEXT(日付, "表示形式")
• 用途:日付を指定した形式でテキストとして表示します。例えば、TEXT(A1, "yyyy年mm月dd日")とすると、「2024年11月07日」と表示されます。カレンダーの見た目を整えたり、曜日名を取得するために活用できます。
5. IF関数
• 使い方:=IF(条件, 真の場合, 偽の場合)
• 用途:日付がカレンダーの範囲内かどうかなどを判定して、セルに値を表示するかどうかを決定する際に便利です。
6. CHOOSE関数
• 使い方:=CHOOSE(数値, 値1, 値2, ...)
• 用途:数値に対応する値を返します。例えば=CHOOSE(WEEKDAY(日付), "日", "月", "火", "水", "木", "金", "土")とすることで、指定した日付の曜日名を取得できます。
7. SEQUENCE関数(Excel 365またはExcel 2019以降で利用可能)
• 使い方:=SEQUENCE(行数, 列数, 開始値, 増加値)
• 用途:範囲に連続する数値を生成します。例えば、=SEQUENCE(5, 7, 1, 1)とすると、5行×7列の範囲に1から順に数値が入力され、カレンダーのように日付を連続して入力するのに便利です。
8. WORKDAY関数
• 使い方:=WORKDAY(開始日, 日数, [祝日])
• 用途:開始日から指定した営業日数後の日付を取得します。祝日を除いた営業日のカレンダーが必要な場合に利用します。
9. NETWORKDAYS関数
• 使い方:=NETWORKDAYS(開始日, 終了日, [祝日])
• 用途:指定した期間内の営業日数をカウントします。カレンダーに休日を含めるかどうかの判定に役立てることができます。
これらの関数を組み合わせることで、動的に年や月を変更できるカレンダーや、特定の曜日や営業日だけを表示するカレンダーを簡単に作成できます。