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【FP1級実技受験】合格できた面接で、答えられたこ事と答えられなかった事~Part1個人の事業承継

 FP1級の実技試験(2023年2月5日)を受け、無事に合格することが出来ました。FP1級の実技試験(きんざいの面接)については、模範解答は公表されていないため、これからFP1級の実技試験(面接)を受験される方に向けて、私が面接で答えた内容を紹介します。覚えているものだけなので、完全復元とはいきませんが、8割くらいは再現出来てると思いますので、参考にしていただければ嬉しいです。投稿

Part 1 「個人事業主の事業承継」の問題の概要

 本問の相談者Aさんは、個人で不動産賃貸業を営んでおり、年間の不動産収入が5,000万円ある。所得税の負担も大きいことから、何か軽減できる方法はないかと考えているところ、金融機関の担当者から法人を設立してみてはどうかと提案された。相談者Aさんは、個人のままか法人にするか判断できずにいる。

家族構成 相談者A/妻B/娘2人

令和5年2月5日 PART1

実際の面接の内容を紹介

設例の顧客の相談内容および問題点として、どのようなものがあげられる

設問を読んでもらったと思いますが、相談者の問題点としてどのようなことが考えられますか?出来るだけ多く端的に答えてください。

・法人成り
・不動産(建物)の取得について、個人所有か法人所有にするか
・相続税の軽減対策
・生前贈与対策
・小規模事業宅地の活用
・生命保険の活用
・遺言書の作成
などが挙げられます。

 最初の15分の問題文を読む時に、大事な論点は黄色のマーカー、相談者の思いや心配事についてはピンクのマーカーをつけ、問題点として考えられることについては、箇条書きのメモをしていました。
 面接の場は緊張するので、箇条書きのメモを見ながら、相談内容の中心部分と思われる論点から答えました。
 緊張をしていたので、メモしていて良かったと思いました。
 他の受験者のブログを拝見した際に、「他には?」と聞かれることがあるということでしたが、7個程度答えたら、「他には?」と聞かれることはありませんでした。問題の核となる論点を答えたうえで、隣接の関係しそうな論点を答えられればいいのではないかと感じました。

それらの相談内容及び問題点を解決するために、どのような提案・方策が考えられるか。

相談者の問題点を解決するためには、どのような提案や方策が考えられますか。

法人を設立して妻Bと娘2人も役員又は従業員にして、給料を支給することにより、所得分散を行います。

法人にすることにより、どのようなメリットとデメリットがありますか。

メリットとしては、個人においては累進税率により5%から45%の税率で課税されることに対して、法人は約33.5%という税率で課税されることがあげられます。

所得が多くなればなるほど、法人の方が課税される税金が抑えられるということまでは説明できませんでしたが、突っ込まれたら答えられましたが、面接官は私の言わんとしていることを理解していると面接時は解釈しましたが、あとから思い返すと、説明の仕方が曖昧なので、減点はあるかもしれないと思いました。

デメリットとしては、法人にすると申告書作成が難しくなり、税理士に依頼するなど事務経費がかかります。
また、社会保険への強制加入が義務付けられます。

その他に、法人の場合は赤字でも住民税の均等割りがかかるというデメリットが浮かびましたが、論点としてあまり重要でなかったのか、理解していると思われたのか、そこまで答える間もなく、すぐ次の質問に移りました。

不動産を法人に移行したら、借地権を認定されたりするけど、何か方法はない?

”借地…” ”認定…”

完全にど忘れし、頭の中が真っ白になっておりました。頭の中を「借地権」「認定課税」という文字がグルグル渦巻いてました。

無償~、無償~。

面接官のアシストが発動されました。「無償~」と、何やら回答をアシストしてくれているのを感じました。

「土地の無償返還に関する届出書」を連名で税務署に提出します。

面接官のアシストのおかげで、「土地の無償返還に関する届出書」が思い出せました。ちゃんと知っているけど、ど忘れしちゃった感をアピールするため、「連名で」「税務署に提出」を答えましたが、アシスト有りの回答なので、減点はやむを得ないと思います。でも面接時は、答えられたことにホッとしました。

不動産については、個人所有と法人所有との選択があると思いますが、どういう方法がありますか。

個人から法人に不動産を以降する方法と、個人所有のまま、不動産管理等のみを法人に委託する方法があります。

個人が不動産を所有する方法について2つあると思いますが、法人が不動産を管理する方法をもう一つあると思いますが、どんな方法ですか。

答えられず、全く思い浮かばず、必死で思い出そうとする。確かに方法として3つあったのは思い出すが、問われているその1つだけが思い出せず、言葉に詰まります。
3つの方法は①委託管理方式②一括借り上げ方式③不動産所有方式だが、この②一括借り上げ方式が思い浮かんでこない。

「サブ~」「サブ~」

またまた面接官のアシストが発動されました。しかし、私の頭の中は「サブ??」「サブ???」となっておりました。

「サブリース」聞いたことないかな?一括で借りる…。

あっ、一括借り上げ方式です。

「サブリース」と「一括借り上げ方式」がイコールだったと、この時初めて知る…。
多分、ここは点数はないだろう。でも、まぁ6割で合格だし、4割間違えていいからと、少し開き直る。

建物を貸し付けていると、土地の評価に有利になることがあるけど、どういうことだろう?

前問で答えられなかったことで、冷静を保ててないと感じました。面接官の質問もあまり覚えていないし、何を聞かれているのか曖昧になってました。ここで冷静になって面接官に「貸家の評価のことでよろしかったでしょうか」と聞き返していればよかったと、後から反省をしましたが、面接時は、冷静になれておらず、「貸家の評価のことかな?」と思いつつも、質問の意図が分からずに答えていました。

借家権割合や賃貸割合を乗じて計算した額を控除して算出します。

完全に意味不明な回答をしてしまいました。うまく答えられていません。

算式で言うとどうなるだろう?

固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)です。

自用家屋の評価と貸家の評価の算式が混じってしまってました。答えた後も、貸家の評価を答えたけど、貸家建付地の評価を聞かれているのではないか?と不安な気持ちになってきましたが、もう後には引けなくなってしまいました、


*参考*
自用家屋・・・・固定資産税評価額×倍率(1.0)

貸家の評価・・・・自用家屋としての価額×(1-借家権割合×賃貸割合)


貸家建付地の評価・・・・自用地としての価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

分かりました。

面接官に「分かりました」と言われて、回答違ったんだろうな、と感じました。

FPの理念と職業倫理について

では、FPと職業倫理について答えてください。

はい。顧客利益の優先、守秘義務の徹底、顧客への説明義務、コンプライアンスの徹底、インフォームド・コンセント、能力の啓発です。

FPの職業倫理については、15分の問題の読み取り時に書いた、メモを見ながら答えました。冷静さを失いつつあったので、メモをしていてよかったと思いました。

その中で、あなたがこの問題で一番重要だと思うものは何ですか。

インフォームド・コンセントです。

それは、何故ですか?

はい。この問題は、選択できる方法がいくつかあり、相談者やその家族が内容を理解できるように、きちんと説明し検討してもらう必要があると考えるためです。

M&Aの出題だったら、「守秘義務の徹底」を答え、その他の事業承継については、「インフォームド・コンセント」を答えようと事前に決めてました。今回の問題は、個人の事業承継だったので、「インフォームド・コンセント」を答えました。ただ、理由がこれで良かったかどうかは、いまだに分かりません。

PART1を終わった後の感想

12分の面接時間は、案外あっという間に思えましたが、とても濃厚な12分間でもありました。

私の場合、PART1の面接が先でした。

PART1の面接官は、優しいタイプの面接官で、ホッとしたのですが、PART2の面接は圧迫面接かもしれないと、覚悟もしました。

次のPART2の面接に向け、PART1の面接については、思い返すことないように、気持ちを切り替えるよう努めました。

面接では、多少失敗した箇所もありましたが、「まぁ6割で合格だし、4割までは間違えてもいいし、何とかなるか」と考え、大きな失敗をしたとも思えなかったので、まぁまぁの出来かなぁと、いう感じでPart1の面接を終えました。

※アフェリエイトを利用しています。

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