相続税・贈与税

離婚による財産分与で税金はかかるのか

 コロナウイルス感染拡大防止のため、7都府県で緊急事態宣言がされ、不要不急の往来を控えるように呼びかけられています。
 外出規制やテレワークを強いられ、夫婦が過ごす時間が増えたためか、離婚を考える人が増えているようで、”コロナ離婚”というワードまで話題となってしまっています。

 コロナが原因ではなくても、日本では3組に1組が離婚をしていると言われています。

 離婚の際、財産分与を行うことがありますが、財産分与において税金はかかるのでしょうか。

贈与税がかかる場合とは

 個人が、財産をもらった場合には、贈与税がかかります。相続時精算課税を選択していなければ、1年間(1/1-12/31)にもらった財産の合計額から基礎控除額110万円を控除した残額に対して、贈与税がかかり、基礎控除額の110万円以下であれば、贈与税はかからないこととなり、贈与税の申告も不要となります。

財産分与にて、財産をもらった場合

 離婚による財産分与については、贈与税はかからないこととされています。

 財産分与は、婚姻時に形成した共有財産の清算・離婚後の経済的援助等であり、相手から贈与を受けたものではないためです。

ただし、下記の場合には、贈与税がかかります。

  •  分与された財産の額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等すべての事情を考慮しても多すぎる場合
  •  離婚が贈与税や相続税を免れるために行ったと認められる場合

財産分与として土地や建物を渡した場合

 財産分与が土地や建物で行われた場合には、分与した者に譲渡所得の課税がされることとなります。分与した時の土地・建物の時価が譲渡所得の収入金額となります。

 マイホーム(居住用財産)を売った時の特例として一定の要件を満たしていば3,000万円の特別控除の特例を受けることが出来ます。
 この特例は、売り手と買い手が、親子や夫婦など特別な関係にある場合は適用を受けることが出来ません。しかし財産分与による場合は、離婚によって他人となり、特別な関係は解消されるため、3,000万円の特別控除の適用が出来ることとなります。

 財産分与により分与した土地や建物から取得費を差し引いた価額が3,000万円以下であれば、譲渡所得として課税される金額はゼロということになりますが、
3,000万円を超えていれば、譲渡所得として課税されることとなります。

 ㊟個別の税務判断は、税の専門家に相談されることをオススメいたします。

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