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法人税の中間申告~仮決算で資金繰り改善も~

法人税の中間申告による納税とは

普通法人の場合、法人税の納税は、事業年度の中途で支払う中間納税と決算確定にて支払う確定納税とがあります。

中間納税は、事業年度が6月を超える場合に、その事業年度開始の日以後6月を経過した日から2か月以内に納付するものです。

中間申告による納税の目的として、納税者側の観点では、資金繰りの都合です。
年に一度の納税となると、納税者によっては、納税額が多額となることもあり、資金繰りが厳しくなります。そのため事業年度の中間時に、年税額の半分となると予想される納税を行うのです。

また、国側の目的としても、早期に税収を確保できることや、納税者の資金繰り悪化による滞納リスクの軽減ができることがあげられます。

中間申告の種類

法人税の中間申告は「予定申告」と「仮決算による申告」の2種類があります。

①予定申告

予定申告は、前年度実績によるもので、前年度の年税額の半分を中間納税として納付するものです。

原則としては、この予定申告による中間納税が行われます。

具体的な計算方法は、下記の通りです。

ただし、上記の算式により計算した中間税額が10万円以下である場合、中間申告及び納税はありません。

②仮決算による中間申告

原則の中間申告は、上記①の予定申告となっていますが、中間申告をすべき法人がその事業年度開始の日以後6月の期間を1事業年度とみなして仮決算を行った場合には、仮決算による中間申告を行うことが出来ます。

仮決算による中間申告の目的は、業績悪化等があった場合に、予定納税額が過払いとならないように、6月の期間を1事業年度と仮定して、納付すべき中間税額を計算し、実情に合った中間税額を納付することです。

仮決算による中間申告が出来ない場合があります

これまで実務では、仮決算による中間申告で多額な中間税額を納付し、確定申告時に過払いとなっている中間税額の還付金と合わせて還付加算金を受領する例が多発したようです。
還付加算金の率は、一般の金融機関の利率よりも高くなっていたため、このような事例が増えたと考えられます。

そこで平成23年度税制改正により、「仮決算による中間納付額」が「予定申告による納付額」を超える場合には、仮決算による中間申告は出来ないこととされました。

この改正により、仮決算による中間申告に制限がかけられることとなっています。

業績悪化等により、法人税の予定納税の納付が困難な場合は、仮決算による中間申告の検討をしてみてはいかがでしょうか。

災害損失欠損金の繰戻しによる還付

前事業年度まで、納税していた法人が当期において災害等により生じた欠損金額がある場合には、仮決算による中間申告の提出と同時に、災害損失欠損金の繰戻しによる還付を請求することが出来ます。

災害損失欠損金とは

青色申告書以外の申告書(白色申告)で提出する事業年度において生じた欠損金のうち災害により生じた欠損金のことで、法人が所有する棚卸資産、固定資産等が、災害による資産が滅失や損壊したこと等により生じた次の金額の合計額です。

①資産が滅失し、もしくは損壊したこと又は災害による価値の減少に伴いその資産の帳簿価額を減額したことにより生じた損失の額(その資産の取壊費用又は除去費用等を含む)
②資産が損壊し、又はその価値が減少した場合その他災害により、その資産を事業の用に供することが困難な場合においてその災害等のやんだ日の翌日から1年(大規模な災害等のやむを得ない事情がある場合には3年)を経過した日の前日までに資産が損壊したこと等による現状回復のために支出する修繕費、土砂その他の障害物の除去に要する費用等その他これらに類する費用に係る損失の額
③災害により資産につき現に被害が生じ、又はまさに被害が生ずるおそれがあると見込まれる場合において、被害の拡大等を防止するために緊急に必要な措置を講ずるための費用に係る損失の額

上記のほか、新型コロナウイルス感染症の影響による、下記のような費用や損失においても災害損失欠損金に該当することとなります。

④飲食業者等の食材の廃棄損
⑤感染者が確認されたことにより廃棄処分した器具備品等の除去損
⑥施設や備品などを消毒するために支出した費用
⑦感染発生の防止のため、配備するマスク、消毒液、空気清浄機等の購入費用
⑧イベント等の中止により、廃棄せざるを得なくなった商品等の廃棄損

災害損失欠損金の繰戻しによる還付

確定申告による繰戻し還付

災害損失欠損金が生じた事業年度においては、確定申告書の提出と同時に災害損失の繰戻しによる還付請求書を提出することにより、災害損失欠損金にかかる事業年度前1年以内に開始した事業年度の法人税額のうち、災害損失欠損金に対応する部分の金額の還付を請求することができます。
なお、青色申告書を提出する場合には、繰戻し出来る事業年度は、前2年となります。

仮決算による中間申告の繰戻し還付

災害損失欠損金が生じた日が、事業年度開始から6月を経過する日までであれば、仮決算の中間申告をすることにより、確定申告の際と同様に、法人税の還付を請求することが出来ます。(平成29年度税制改正)

コロナウィルス感染症の影響により、損失が生じた法人においては、仮決算による中間申告の還付請求が出来るかどうかの検討をされてはいかがでしょうか。

参考:国税庁HP・財務省HP

災害を受けたときの法人税の取扱い

災害損失の繰戻しによる法人税額の還付(法人税法第 80 条第5項)及び仮決算の中間申告による所得税額の還付(同法第 72 条第4項、第 78 条)の適用を受ける場合の申告書等の記載例

欠損金の繰戻しによる還付の特例

㊟個別の税務判断は、税の専門家に相談されることを、オススメいたします。

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