◆令和2年からの改正点
【1】青色申告特別控除額 65万円⇒55万円
【2】所得税の基礎控除額 38万円⇒48万円
【3】住民税の基礎控除額 33万円⇒43万円(令和3年1月分より)
住民税については、前年の所得について課税されるため令和3年分からの改正となります。
◆青色申告控除額65万円の適用を受けるために
令和元年の所得税の確定申告まで、事業所得者や不動産所得者が、青色申告控除額65万円の適用を受けるためには、下記の①~③が要件とされていました。
①正規の簿記の原則で記帳する(複式簿記)
②貸借対照表と損益計算書を添付する
③期限内申告をする
しかし、令和2年分の所得税の確定申告より改正となり、事業所得者や不動産所得者が青色申告控除額65万円の適用を受けるためには、上記①~③に加えて、下記の2つの要件のうち、どちらか1つを満たすことが要件として加えられます。
④e-Taxによる申告をする(電子申告)
⑤電子帳簿の保存をする

つまり、①~③の要件のみ満たす場合は、青色申告控除額は55万円となり、①~③及び④又は⑤の要件を満たす場合の青色申告控除額は65万円となります。なお、①~③を満たさない場合の青色申告控除額は、これまで同様の10万円となります。
◆e -Taxによる申告とは
e-Taxとは、いわゆる電子申告のことで、インターネットを利用して、確定申告書を送信(提出)することです。
令和2年分の所得税の確定申告より、これまでどおり65万円の青色申告特別控除を受けるためには、ご自宅等のパソコンにて、e-Tax(電子申告)により確定申告書及び青色申告決算書のデータを送信する必要があります。
◆e -Taxを利用するための事前準備
●マイナンバーカードをお持ちの方(もしくは、これから取得される方)
・マイナンバーカードの取得(これから取得される方)
・マイナンバーカードの電子証明書の有効期限の確認
(すでに取得されてる方については、カードの表面に電子証明書の有効期限が記載されています)
・ICカードリーダライタの購入(家電量販店やネット通販にて購入が可能です)
・マイナンバーカード対応のスマートフォンにて電子申告される場合は、ICカードリーダライタは不要です。
●マイナンバーカードをお持ちではなく、取得の予定もない方
・e-Taxの開始届出書を税務署に提出して、e-TaxのIDとパスワードを受領
◆電子帳簿保存について
”電子帳簿保存”とは、帳簿を電子データのままで保存できる制度です。この制度の適用を受けるためには、帳簿の備え付けを開始する日の3か月前の日までに申請書を税務署に提出する必要があります。
令和2年分の取得税の確定申告から65万円の青色申告特別控除を受ける場合には、その年中の事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳について、税務署長の承認を受けて電磁的記録による備付け及び保存を行うこととなります。
令和2年分に限り、令和2年9月30日までに承認申請書を提出し、同年中に承認を受け、同年12月31日までの間に、仕訳帳及び総勘定元帳の電磁的記録による備付及び保存を行うことで、65万円の控除を受けることが出来ます。